「婚活(離婚活動)」のススメ

2012/01/18

「婚活」という言葉はお馴染みだろう。しかし、ここでお話しするのは結婚に向けての活動ではない。同じ婚活でも、離に向けての動だ。

 みなさんは、離婚しようと考えたときにどのような行動を取るだろうか。

 まず普通は、相手に離婚したいことを伝えて話し合うところから始めることが多いだろう。これで離婚が成立するのが一番いいし、多くの離婚はこういう形で成立していると思う。これを協議離婚という。

 しかし、こちらが離婚したくても相手が離婚に応じてくれない場合とか、お互い離婚することは一致しているのに財産などの離婚条件が整わない場合とか、こうなってくるとなかなか当事者で話し合いを続けていても平行線が続いてしまいがちだ。そして、離婚しないままに別居を始めて、なんだかお互いしっくり来ないまま年月が経ってしまうという夫婦も多かろう。
 このように、協議離婚がなかなか整わない場合に、次にどのようなステップを踏めばいいのかというと、それは法的手続を利用することだ。具体的には、先ずは家庭裁判所の離婚調停を利用するということになる。そして離婚調停でもお互いの離婚意思や離婚条件が上手く調整できなかった場合には、最終的に離婚訴訟によって裁判官に判断してもらうというところにたどり着く。
 私の経験上、離婚事件の経験豊富な弁護士に相談(依頼)しつつ離婚調停をやっていけば、多くの離婚事案はそこで解決する。離婚調停で解決できなくても、離婚訴訟まで行けばだいたい予想どおりの結論になることが多い。
 ちなみに離婚調停は、弁護士なしでもできるからということで、当事者本人だけでやってゆくと、実は意外な落とし穴や妙な結論にはまってしまうことも多い。離婚調停こそ必ず弁護士に少なくとも相談を受けて、できれば依頼をして、行ってゆくのがベターだ。

 このように、弁護士がアシストして離婚調停や離婚訴訟を行ってゆくことによって、当事者での話し合いでは全く先の見通しがきかなかった離婚案件も光明が差してくることは普通に経験されることだ。

 したがって、離婚活動の第一歩は、離婚事件の経験豊富な弁護士に、ともかく相談だけでもしてみることだ。
 
 このことは当たり前のように聞こえるかもしれないが、実はこの当たり前のことをしないで益々話し合いが紛糾したりあらぬ方向に向かっていってしまう夫婦も多い。どうしてそうなるかというと、弁護士に相談しないで、ネットで得た知識のつぎはぎで対応してみようとしたり、離婚経験がある友人の話を真に受けたりするからだ。いまどき離婚は、交通事故や相続より身近な経験者が多いと思う。だからこそネット上にも情報が氾濫している。しかしそれがくせ者なのだ。
 離婚経験者といってもせいぜい1回か2回程度の経験者だろう。その経験の中で、自分の前の離婚では慰謝料がいくら取れたとか親権がとれたとか、だからあなたも頑張って、といわれても、それは単なる経験談であって、一般化できるものではない。また、ネットの知識も、そのような自分の乏しい経験談を大げさに話すものであったり、他人の話の受け売りであったり、間違っているものが沢山ある。
 司法書士や行政書士など、法律家といわれる人たちもブログなどで離婚について語っていることがあるが、離婚調停や離婚訴訟など離婚に関する法的手続を代理人として執り行えるのは弁護士だけだから、司法書士や行政書士が離婚について語っていても、法的手続に関する限り、それは実際に代理人として経験したことのない手続について語っているに過ぎないので、いかにも頼りない。
 だから、協議離婚に暗雲が垂れ込め始めたら、弁護士のところに相談に行く。これを、婚活の第一歩と覚えておく。

 次に、離婚活動として重要なのは、証拠集めだ。

 例えば、相手が浮気をしているので離婚したい、DVを受けているので離婚したい、こういう場合には、相手が浮気をした証拠、DVをした証拠をできるだけ集めたい。
 証拠もなしに、自分の言い分だけで離婚の法的手続を進めてゆくのは危険だ。自分としては、実際に生々しく経験していることだから、証拠などいらないと思いがちだ。しかし、こちらが指摘すれば、相手も当然、浮気やDVを認めると思ったら大間違いだ。いざ法的手続になると、浮気をしたといっても、そんなことはしていないとトボける相手はたくさんいる。こうなると、最終的に裁判所に浮気をしたかどうかを判断してもらうために、客観的な証拠があるとないとで大違いなのだ。どのようなものが客観的証拠になるかは、また項を改めてお話ししよう。
 相手が事実を認めていない場合に、こちらの言い分が正しいという前提で余裕を持って法的手続を進めてゆくためには、腕のいい弁護士を探すよりも、客観的証拠があること。これに尽きる。
 もちろん、客観的証拠がないように思える事案もある。この場合でも諦める必要はない。証拠はアイデア次第でどのようにでも見つけられるので、この辺は弁護士とよく相談して指導してもらうといいだろう。

 離婚の婚活とは、頼れる弁護士を探して、有利な証拠を見つけることなのだ。