Q.計画停電中の休業手当は支払う必要がありますか?

A.
 会社は社員に対して、会社(使用者)の責めに帰すべき事由による休業の場合において、その休業期間中、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない、と定められています(労働基準法26条)。

 今回の東日本大震災で、首都圏では計画停電が実施されていますが、これに関して休業をした場合の休業手当の支払いについて、厚生労働省の公式見解は以下のとおりです(法的に必ずしもこれが唯一の正解基準というわけではないと思いますが、国の見解として紹介します。)。

 結論として、計画停電時間中の休業手当は支払わなくてもいいのが原則との考え方が示されています。但し、計画停電時間外を含む休業の場合には支払を要する場合があるとの点に注意です。

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基監発0315第1号 平成23年3月15日


都道府県労働局労働基準部監督課長 殿

 

       厚生労働省労働基準局監督課長

 

 計画停電が実施される場合の労働基準法第26条の取扱いについて

 

 休電による休業の場合の労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「法」という。)第26条の取扱いについては、「電力不足に伴う労働基準法の運用について」(昭和26年10月11日付け基発第696号。以下「局長通達」という。)の第1の1において示されているところである。
 

 今般、平成23年東北地方太平洋沖地震により電力会社の電力供給設備に大きな被害が出ていること等から、不測の大規模停電を防止するため、電力会社において地域ごとの計画停電が行われている。この場合における局長通達の取扱いは下記のとおりであるので、了知されたい。
 

 記
 

1 計画停電の時間帯における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しないこと。
 

2 計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当すること。ただし、計画停電が実施される日において、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて休業とする場合であって、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められるときには、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないこと。
 

3 計画停電が予定されていたため休業としたが、実際には計画停電が実施されなかった場合については、計画停電の予定、その変更の内容やそれが公表された時期を踏まえ、上記1及び2に基づき判断すること。




(参考)
 

基発第696号 昭和26年10月11日

 

都道府県労働基準局長 殿
 

  労働省労働基準局長
 

 電力不足に伴う労働基準法の運用について
 

 最近電力事情の悪化は、全国的問題となり、各方面に深刻な影響を与えつつあるのであるが、労働基準法の適用についても、幾多の困難な問題が生じている。然して、電力問題は、根本的には、電力の確保増強と、その需給調整により左右されるところが大きいことに鑑み、本省においては、公益事業委員会宛別紙の通り申入れを行い電力の確保と需給調整の合理化と計画化について要望したのであるが、貴局においても電力事情の実態を不断に把握し、左記要領により行政運営上万全の措置を講ぜられたい。
 

第1 労働基準法の運用について
 

1 法第26条関係 休電による休業については、原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しないから休業手当を支払わなくとも法第26条違反とはならない。
 なお、休電があっても、必ずしも作業を休止する必要のないような作業部門例えば作業現場と直接関係のない事務労働部門の如きについてまで作業を休止することはこの限りでないのであるが、現場が休業することによつて、事務労働部門の労働者のみを就業せしめることが企業の経営上著しく不適当と認められるような場合に事務労働部門について作業を休止せしめた場合休業手当を支払わなくても法第26条違反とはならない。

 

2 以下略

 

 

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