弁護士有本真由の日記

投稿日時:2016/10/04(火) 13:39rss

オバマ政権の勝訴率 [米国司法法律漫談]

先日、米国における今期の最高裁判例のレビューを聴講しました。
 

驚いたのは、オバマ政権下での連邦政府の勝訴率の話です。刑事で連邦政府が検察側に立つ場合や、民事で連邦政府が被告になる場合(国家賠償訴訟など)等において、連邦政府が訴訟に勝った割合のことです。勝率は45%で、歴代大統領と比較してもかなり低いそうです(平均は60%で、ケネディ大統領のときは70%を超えていたそうです。)。
 

私が関心を持ったのは、数字の低さではなく、統計としてこうした数字を出す、ということです。日本では、だれだれ首相の政権下での勝訴率、という数字は聞いたことがありません。出そうと思えば出ると思いますけど、日本では最高裁判事が政治と連動しているわけではないので、皆さんも「だからなに?」としか思わないはずです。


オバマ政権の勝訴率の低さの理由の一つとしては、オバマ大統領が民主党であるのに対して、現在の最高裁は共和党の判事で過半数を占められている、ということがあります。米国では、最高裁判事は、9名で、上院の「助言と同意(Advice and Consent)」のもとに、大統領が任命します(合衆国憲法Article 2, section 2, clause 2)。2016年3月、オバマ大統領は、故Scalia元最高裁判事の後任として、Merrick Garland氏を指名していますが、上院の助言と同意を得られておらず、現在もその席は空いたままです。これだけ聞くと、合衆国最高裁は、政治と密接に関連しているように思われますが、少なくとも制度的には、最高裁の構成に政党が絡んでくるのは、任命のときだけで、その後は終身の身分が保障されているため、裁判官の独立性は保たれている、という制度設計になっています。


大統領選が盛り上がっている中、司法関係の小ネタのご紹介でした。

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